作品紹介
【KU100・耳かき・耳舐め】うたかたの宿 涼月の煙火【バイノーラル・癒やし】
■プロローグ
季節は夏、梅雨の終り。
雨も過ぎ去り湿った空気が晴れて、夏本番が近づく季節。
男は宿の予約をしていた。
村では今年は花火大会をやるらしく、それに合わせて日程も調整することにした。
電話口の向こうからは久しぶりに聞いた声。
この日だけの特別便となったバスで村まで来た。
バス停に降りると、涼しげな浴衣を着た女性がこちらに微笑みかけてきた。
【紅花】
「よっ、お久しぶり。今日みたいな特別な日に足を運んでくれるなんて嬉しいねー……ってか旦那様、あたしのコト覚えてる? ……モチのロンだよねぇ」
【紅花】
「いやー、随分と日が空いちゃったからさ。あっけらかんと忘れてたりしてんじゃないかなーと思って。あたしはずっと覚えてたよ、旦那様